GWを振り返る

 特別に仕事が休みになるわけでもないし、むしろ忙しいからちっともゴールデンじゃない。つーか関係ない。
 と、言い切ってしまったらそれまでなんですが。
 
 GWってのはアレですね、イベントが多いのがよいですね。
 今年は色々と迷うものもありましたが、私、青谷は恒例になりつつある神泉苑祭へ行って参りました。
 雅楽の奉納、太鼓の奉納、静御前の舞(義経静御前の出逢いの地なのです)など、とても楽しめます。
 一つ一つ語っていくと長くなるので一言でまとめると、雅楽は荘厳。太鼓は迫力、舞は優美、でしょうか。
 ちなみに雅楽、太鼓は2日の夕方から。舞は3日の夕方からでした。


 神泉苑には竜神様がいらっしゃいまして、正面には石の鳥居もあります。
 なので一見、神社のようにも見えますが、実はれっきとしたお寺。
 竜神様というのは弘法大師空海が召喚されたものなんですね。

 本堂にて、般若心経の転読も行われました。

 今回は漫画家なのか画家なのか、もしくはそれを目指しているのか、不動明王の姿を真剣に眺め、スケッチしている方の姿もありました。
 ですよね、普段は入れないし、そんな近づけないですもんね。私でもそうするなぁ。なんて、思ってみたり。

 それと、神泉苑祭では狂言も公開しています。入場料は志納。ココロザシ、ってやつですね。お賽銭みたいなものです。

 壬生狂言の流れを汲んだ無言劇で、単調なテンポなので慣れないと眠気を誘うかも。
 内容も知らず、その動きが何を意味するかを理解できないと、話についていけなくなるのですね。

 でも今回観たものは比較的、わかりやすくておもしろかった。(30種類あるらしく、毎回演目が違うのです。狂言だけは4日間やってるので、通えばあらかた観られるのでしょうが……さすがにそれは難しい。

 ストーリー内容は、青谷の解釈が違うかもですし、とにかくご覧あれ! ということで……とりあえず感想。


 有名な『土蜘蛛』はこれで三度目(確か祭の間は毎日やっているはず)ですが、やはり迫力があって好きだし(くもの糸をぱぁっと巻くのですよ)初めて観た『餓鬼角力(がきずもう)』も、コミカルな動きのおかげか、繰り返しの表現に飽きがこない。どころか、それ故の魅力があります。
 『桶取』も初めて観たんですが…最初はところどころ、わからない部分もあって入りにくいかったけれど、やはりコミカルなやりとりがおもしろい。
 何より……最後のあたりがね。報われない必死さが、笑いを誘いながらも妙に切ない。

 ガラスの仮面で、道化役のビビを演じるマヤが自分だったら悲しい気持ちになる、と言う。悲しくて死んでしまいたくなる、と。
 まさにそんな感じ。それが伝わってくるわけです。無言だし、仮面を被ってるので表情も見えないのですが。

 これって、本当にすごいことですね。志納、もっと出しとけばよかったなぁ。この素晴らしき無形民俗文化財を、継承してゆくためのものですからね。


 その代わり、というわけではないですが。
 炮烙(ほうらく)を奉納してきました。
 素焼きのお皿みたいなもので、お願いごとを書いて割るのです。
 といっても、自分でガッシャンしちゃうわけではなく、住職さんが目の前でガッシャンするわけでもなく。

 狂言の『炮烙割』という演目の最後に、いっせいにやっちゃうんですね。
 
 で、それを書いておりますと。

「向こうで絵を入れられますよ」
 
 と言わました。どうやら無料らしい。
 せっかく神様に奉納するなら、キレイな方がよいですよね。
 しかも目立つし! 願い、叶いそうじゃない?
 ということで、書いてもらいました。
 とてもキレイな菊の花です。(しまった、画像がない)

 更に、ポストカードもその場で書いてくださるとのこと。
 しかも無料で。なんてサービスのよい。

 干支と、誕生月にちなんだお花を描いていただきました。
 握手を交わし、お礼を言って、ポストカードを裏返してみると、中に名刺が。

 その肩書きとは……。

 経済産業大臣指定
 伝統工芸品 京友禅(手描部門) 伝統工芸士


 えぇえっ!? 何で無料でポストカードなんて書いてらっしゃるんですか!

 奉仕の精神、実感させていただきました。