カナザワ映画祭 2

 前回の続きです。
 
 夕方になり、塾生仲間と合流しますと、我々は師匠、中山市朗と共に楽屋へ。
 そう、塾生特権で楽屋挨拶に行ったのです。
 もちろん、皆でお金を出し合い、差し入れも用意しております。

 楽屋には幽編集長の東雅夫さんや福澤徹三さんもいらっしゃいました。
 挨拶をして差し入れを渡した後、思わず立ち尽くす私たち。
 緊張したのね。どうしていいのかわからなかったのね。

 普段はマシンガンなんていわれてる青谷ですが、緊張にはすこぶる弱い。疲労がまた、頭の働きを鈍らせるのです。

 もっと気の利いたことが言えるとよかったのですが、むしろ気を遣わせかねない感じでした。精進せねば。

 それでも、もちろん楽しかったですよ。福澤徹三さんって見た目はどちらかというと強面ですが(失礼?)、話の内容も結構そっち系だったりもしますが、意外と気さくな方ですね。
 レシートのような紙にものすごく小さな字でアンチョコ(?)作ってたのは驚きました。
 筆で大きく書いた字が似合いそうなのに。っていうか目、いいんですね。一瞬で読むのは難しい気がするのですが。


 東雅夫さんは1つ前のイベントにも出演されるため、あまりお話が聞けませんでしたが。
 見にいった塾生によると、かなりおもしろかったそうですので、ちょっと後悔。
 チケット、とっておけばよかったな〜。

 ちなみに楽屋は禁煙だったので、幾度か喫煙タイムを設けていらっしゃいました。そしてテーブルには、お酒……。
 差し入れならともかく、楽屋の冷蔵庫にたっぷり用意されてあるのはびっくりしました。
 これ、書かない方がいいかな? とかも思ったのですが、イベントの席で水と共にお酒が出されていたので(あれは中山先生用だったのか、福澤徹三さん用だったのか……)多分、大丈夫でしょう。

 
 そんなこんなで、ついに始まったメインイベント。内容は詳しくは語りませんが、金沢にまつわる怪談や映画にまつわる怪談など様々でした。
 っていうか、あれ……ほとんど打ち合わせなしなんですよね?
 ちなみに我が塾長、中山先生は流れに合わせて話を選んだために、用意していたものはほとんど語れなかったのだとか。いつものことみたいです。よっぽど怪談に精通してなきゃ、怪談イベントなんて出られないですね。
 さすがです。
 
 さすが怪談好きというべきか、金沢以外からやってきた人、連日カナザワ映画祭に参加している人、そしてその後にある深夜のイベントに参加する人の多いこと!
 
 その後は場所を変えて、お寺でのイベントです。
 歩くと30分ほどかかるようですが、そんなのはものともせず。(青谷は車に乗せていただいちゃいました)
 朝4時終了で、その後どうするかなども関係ない、とばかりに集まったツワモノたち。
 
 そんな観客の熱に応える、とっても素敵なイベントでした。

 りん、と鈴の音を合図に、京極夏彦さんの怪談朗読。
 文章のうまさは語りにある、と言われるのもわかります。ものすごく雰囲気があるんです。

 更に、京極さん監督、脚本、演出の作品が上映されました。
 

 パロディ怪談寸劇、その名も『怪談仕事人2010 〜霊障無用〜』

 出演者は豪華作家陣。
 これがまた、おもしろいんです。
 「視えるんです。」「死ねばいいのに」「いま、殺りにゆきます」などなど、作品タイトルがセリフになっていたり、その作家さんらしいキャラクターを活かされていて、笑いどころ満載です。
 
 この場限り、とのことですが……DVDが出たら絶対買うのになぁ。
 しかし、行ってよかったと心から思いました。特にオチ(どこをオチと呼ぶのか異論はありそうですが)が秀逸です。
 とりあえず、WEB幽にあった予告編はしっかり保存してあります。

 映像を見た後はトークです。
 平山夢明さんのお話はおもしろく、京極さんがツッコミ役になってたのも楽しかったです。
 それこそ金沢に来る直前のある事件(?)のお話では、京極さんの意外な一面が見えたそうで。
 かなり笑いがあがったのですが、その空気で怪談を語るのはとてもやりにくかったみたいですね。

 とはいえ中山先生は絶好調です。イベントでの黒スーツから和服に着替え、貫禄バッチリ。

 ゲストで漫画家の波津彬子さんもいらっしゃってました。金沢在住だそうで(知らなかった……)この辺りでよく聞く怪談スポットなどを紹介してくれました。もうすぐ原画展もあるそうですが……やっぱり、金沢なんですよね。うう、金沢って遠いんだよぅ……。

 他にも作家の伊藤三巳華さん(寸劇での熱演、素敵でした)や、黒木あるじさん。そして勝山海百合さんに三輪チサさんが代わる代わる、怪談を披露してくださいました。三輪さんは以前、塾に見学に来られていて(すでにデビューされてたのですが)もしあのまま通っていたら、塾生仲間だったのヨネ。と感慨深い思いでした。

 で、作家さんたちの後には、観客たちの怖い話を聞くことに。
 しかし時間の都合上、二人ほどしか話せない感じでした。
 塾生一同、怪談仕込んでおいたのに、残念ね。
 とはいえ、そのうち一人がまたしても以前塾に見学に来ていた某美大の方だったので再度びっくり。(来てるのは知ってたんですが)
 
 塾に通おうとする人は、熱意に溢れているということでしょうか。業界からも注目されてる証拠でしょうか。
 いやはや、現塾生も負けてはおれませんね。

 とはいえ青谷、イベント終了後は早々に辞退することに。昼すぎには神戸で観劇する予定なので、高速バスの始発に乗らなくていけなかったのです。
 打ち上げには参加、したいんですけどね。すべきなんですけどね。
 
 平均睡眠8時間、二階にあがれば息切れする青谷にとって、すでに疲れも眠気も限界振り切ってるとこですしね。(それでも深夜のイベントで起きていられたのは、やはりおもしろかったからでしょう)
 
 しかし因果応報とはよく言ったもので。
 この後、青谷に悲劇が起こるのであった……。