花房観音さんのイベントにいってきました。

 第一回団鬼六賞、大賞を受賞された花房観音さんのイベント「真夏の夜の花祀り」にいってまいりました。

 司会進行に放送作家吉村智樹さん。ご夫婦なのもあって、息もピッタリで、際どい質問まで遠慮なくしちゃってました。
 ゲストに第一回団鬼六賞の優秀賞を受賞された深志美由紀さん、元AV女優で、ベストセラー「名前のない女たち」(著・中村淳彦)の最新版で解説を書かれた桜一菜さん。それから、官能雑誌「悦」を出版している無双舎の社長、松村さん。

 それはもう、大変濃厚なお話を聴かせていただいちゃいました。質問内容もまた、すごいですしね。
 何て言うか、経歴も性癖も素晴らしい方ばかりといいますか……。

 花房さんも深志さんも、新人作家さんには見えませんもの。実際、花房さんはライター歴が長く、深志さんはコバルトでデビューされてるそうなので新人ではないですしね。
 貫禄がありますし、トークもおもしろいのです。

 どういう人生を歩んできたかで、人間としての深みも、そして作品の深みも違ってくるものなのではないか。ならば、よい作品を書くには平凡な人生では駄目なのか?
 
 なんてことを、真剣に考えてしまいますよ。

 かといって、今更人生をどうこうしようとまでは思わないし、自分からそうするのも何か違う気がするのですが。
 っていうか、無理だな……。真似しようとしてできるものじゃないですからね、そういうのってね。

 でもだからこそ、得るものは大きいし、話を聴いていておもしろいと思うのです。

 何やら、世界が広がったような気がしますよ。
 とりあえず深志さんの作品も「花鳥籠」を読んで見ることにします。私は花房さんの短編「おばけ」が初の官能小説、大賞をとった「花祀り」が長編初、で……短編読むのに、雑誌も買ってるんですが、まだ他の作品読んでないですからね。
 もうちょっと色々読んでみようかな、とは思います。……影響されすぎても怖いけど。

 ただ、AVとかは……多分無理かな。前に花房さんに借りた(正確には同居人が借りた)ときは、パッケージのみでもういっぱいいっぱいだったしね。
 レンタルショップでも、そういうコーナーって何かいけないんですよ。女性の入るところじゃないような気がしてね。
 官能小説とかも、今まで女性が読むものではないように思っていたんですが……。(すみません、花房さん。悪気はないんです)

 でも、今回のイベントでもかなり女性のお客さんが多くて。
 受賞作家さんが二人とも女性なだけではなく、最終選考に残ってたのも女性の方が多かったというお話で。

 そういうものなんだぁ、と感心してしまいました。
 
 しかし、何で自分はそんなに抵抗があるんだろう、と思ったとき……何やら、おぼろげに、見えてきたものがありました。
  忘れたいとか隠したいとか、そういうものを吹っ切れたとき、開花するものがあるのかもしれない。
 
 それを乗り越えるのって、難しいと思うけれど。よい作品を生み出すためには必要なことなのかもなぁ。

 傷をひらいて、膿を搾り出した方が案外、健康的なのかもしれませんね。

 別にそんな、すさまじい傷をもってるわけではないんですが……単純に臆病なのと、わけのわからない固定観念や罪悪感がそれを邪魔するんでしょうね。

 難しいものだ。